§建築基準法§


本則

----------------------------------------------------------------------------------------------

(昭和二十五年五月二十四日法律第二百一号)


最終改正:平成一二年五月三一日法律第九一号

第一章 総則


第一条(目的)

この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。



第二条(用語の定義 )

この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
 二  特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。
 三  建築設備 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
 四  居室 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
 五  主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
 六  延焼のおそれのある部分 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。
 七  耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
 七の二  準耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロ及び第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
 八  防火構造 建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
 九  不燃材料 建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
 九の二  耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
  イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
   (1) 耐火構造であること。
   (2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
    (i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
    (ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
  ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
 九の三  準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に前号ロに規定する防火設備を有するものをいう。
  イ 主要構造部を準耐火構造としたもの
  ロ イに掲げる建築物以外の建築物であつて、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの
 十  設計 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第五項 に規定する設計をいう。
 十一  工事監理者 建築士法第二条第六項 に規定する工事監理をする者をいう。
 十二  設計図書 建築物、その敷地又は第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。
 十三  建築 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
 十四  大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
 十五  大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。
 十六  建築主 建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
 十七  設計者 その者の責任において、設計図書を作成した者をいう。
 十八  工事施工者 建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。
 十九  都市計画 都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第四条第一項 に規定する都市計画をいう。
 二十  都市計画区域又は準都市計画区域 それぞれ、都市計画法第四条第二項 に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。
 二十一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、防火地域、準防火地域又は美観地区 それぞれ、都市計画法第八条第一項第一号 から第六号 までに掲げる第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、防火地域、準防火地域又は美観地区をいう。
 二十二  地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第一号 に掲げる地区計画をいう。
 二十三  地区整備計画 都市計画法第十二条の五第二項 に規定する地区整備計画をいう。
 二十四  住宅地高度利用地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第二号 に掲げる住宅地高度利用地区計画をいう。
 二十五  住宅地高度利用地区整備計画 都市計画法第十二条の六第二項第三号 に規定する住宅地高度利用地区整備計画をいう。
 二十六  再開発地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第三号 に掲げる再開発地区計画をいう。
 二十七  再開発地区整備計画 都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)第七条の八の二第二項第三号 に規定する再開発地区整備計画をいう。
 二十八  防災街区整備地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第四号 に掲げる防災街区整備地区計画をいう。
 二十九  特定建築物地区整備計画 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律 (平成九年法律第四十九号)第三十二条第二項第二号 に規定する特定建築物地区整備計画をいう。
 三十  防災街区整備地区整備計画 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十二条第二項第三号 に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。
 三十一  沿道地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第五号 に掲げる沿道地区計画をいう。
 三十二  沿道地区整備計画幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第二項に規定する沿道地区整備計画をいう。
 三十三  集落地区計画 都市計画法第十二条の四第一項第六号 に掲げる集落地区計画をいう。
 三十四  集落地区整備計画 集落地域整備法 (昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項 に規定する集落地区整備計画をいう。
 三十五  地区計画等 都市計画法第四条第九項 に規定する地区計画等をいう。
 三十六  特定行政庁 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項の市町村又は特別区の区域については、同条第四項の規定により当該市町村の長が行うこととなる事務又は第九十七条の三第三項の規定により特別区の長が行うこととなる事務に関する限り、当該市町村又は特別区の長をもつて特定行政庁とみなし、当該市町村又は特別区の長が行わないこととされる事務については、都道府県知事を特定行政庁とみなす。



第三条(適用の除外)

この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号の一に該当する建築物については、適用しない。
 一  文化財保護法 (昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物
 二  旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品等として認定された建築物
 三  文化財保護法第九十八条第二項の条 例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(次号において「保存建築物」という。)であつて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
 四  第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの
 2  この法律又はこれに基く命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。
 3  前項の規定は、次の各号の一に該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。
 一  この法律又はこれに基づく命令若しくは条例を改正する法令による改正(この法律に基づく命令又は条例を廃止すると同時に新たにこれに相当する命令又は条例を制定することを含む。)後のこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用の際当該規定に相当する従前の規定に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分
 二  都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域若しくは工業専用地域若しくは防火地域若しくは準防火地域に関する都市計画の決定若しくは変更、第四十二条第一項若しくは第五十二条第一項の区域の指定若しくはその取消し又は同項第六号、第五十三条第一項第四号、第五十六条第一項第二号ニ若しくは別表第三(に)欄の五の項に掲げる数値の決定若しくは変更により、第四十三条第一項、第四十八条第一項から第十二項まで、第五十二条第一項若しくは第五項、第五十三条第一項から第三項まで、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、第六十一条若しくは第六十二条に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限又は第四十三条第二項、第四十九条から第五十条まで若しくは第六十八条の九の規定に基づく条例に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限に変更があつた場合における当該変更後の制限に相当する従前の制限に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分
 三  工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地
 四  前号に該当する建築物又はその敷地の部分
 五  この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合するに至つた建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分



第四条(建築主事)

政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
 2  市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。
 3  市町村は、前項の規定によつて建築主事を置こうとする場合においては、あらかじめ、その設置について、都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。
 4  市町村が前項の規定による同意を得た場合において建築主事を置くときは、市町村の長は、建築主事が置かれる日の三十日前までにその旨を公示し、かつ、これを都道府県知事に通知しなければならない。
 5  都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第一項又は第二項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第九十七条の二を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における建築物に係る第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
 6  第一項、第二項及び前項の建築主事は、市町村又は都道府県の吏員で第七十七条の五十八第一項の登録を受けた者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。
 7  特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所管する建築主事を指定することができる。



第五条(建築基準適合判定資格者検定)

建築基準適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識及び経験について行う。
 2  建築基準適合判定資格者検定は、国土交通大臣が行う。
 3  建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者で、建築行政又は第七十七条の十八第一項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、二年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。
 4  建築基準適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、建築基準適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定資格検定機関が同項の資格検定事務を行う場合においては、この限りでない。
 5  建築基準適合判定資格者検定委員は、建築及び行政に関し学識経験のある者のうちから、国土交通大臣が命ずる。
 6  国土交通大臣は、不正の手段によつて建築基準適合判定資格者検定を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその建築基準適合判定資格者検定を受けることを禁止することができる。
 7  国土交通大臣は、前項又は次条第二項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、二年以内の期間を定めて建築基準適合判定資格者検定を受けることができないものとすることができる。
 8  前各項に定めるものを除くほか、建築基準適合判定資格者検定の手続及び基準その他建築基準適合判定資格者検定に関し必要な事項は、政令で定める。



第五条の二(資格検定事務を行う者の指定)

国土交通大臣は、第七十七条の二から第七十七条の五までの規定の定めるところにより指定する者(以下「指定資格検定機関」という。)に、建築基準適合判定資格者検定の実施に関する事務(以下「資格検定事務」という。)を行わせることができる。
 2  指定資格検定機関は、前条第六項に規定する国土交通大臣の職権を行うことができる。
 3  国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、資格検定事務を行わないものとする。



第五条の三(受検手数料)

建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者(市町村又は都道府県の吏員である者を除く。)は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の受検手数料を、国(指定資格検定機関が行う建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者にあつては、指定資格検定機関)に納めなければならない。
 2  前項の規定により指定資格検定機関に納められた受検手数料は、当該指定資格検定機関の収入とする。



第五条の四(建築物の設計及び工事監理)

建築士法第三条 から第三条の三 までに規定する建築物の工事は、それぞれ当該各条に規定する建築士の設計によらなければ、することができない。
 2  建築主は、前項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第三条 から第三条の三 までに規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。
 3  前項の規定に違反した工事は、することができない。



第六条(建築物の建築等に関する申請及び確認)

建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
 一  別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
 二  木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
 三  木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
 四  前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域(都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは準都市計画区域(市町村長が市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の意見を聴いて指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
 2  前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
 3  建築主事は、第一項の申請書が提出された場合において、その計画が建築士法第三条 から第三条の三 までの規定に違反するときは、当該申請書を受理することができない。
 4  建築主事は、第一項の申請書を受理した場合においては、同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から二十一日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない。
 5  建築主事は、前項の場合において、申請に係る計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は申請書の記載によつては建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期限内に当該申請者に交付しなければならない。
 6  第一項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、することができない。
 7  第一項の規定による確認の申請書、同項の確認済証及び第五項の通知書の様式は、国土交通省令で定める。



第六条の二(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)

前条第一項各号に掲げる建築物の計画(建築士法第三条 から第三条の三 までの規定に違反するものを除く。)が建築基準関係規定に適合するものであることについて、第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
 2  前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
 3  第一項の規定による指定を受けた者は、同項の確認済証の交付をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、その旨を特定行政庁に報告しなければならない。
 4  特定行政庁は、前項の規定による報告を受けた場合において、第一項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該確認済証は、その効力を失う。
 5  前項の場合において、特定行政庁は、必要に応じ、第九条第一項又は第十項の命令その他の措置を講ずるものとする。



第六条の三(建築物の建築に関する確認の特例)

第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は第三号に掲げる建築物の建築に対する前二条の規定の適用については、第六条第一項中「政令で定めるものをいう。以下同じ」とあるのは、「政令で定めるものをいい、建築基準法令の規定のうち政令で定める規定を除く。以下この条及び次条において同じ」とする。
 一  第六十八条の十第一項の認定を受けた型式(次号において「認定型式」という。)に適合する建築材料を用いる建築物
 二  認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物
 三  第六条第一項第四号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの
 2  前項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する政令のうち建築基準法令の規定を定めるものにおいては、建築士の技術水準、建築物の敷地、構造及び用途その他の事情を勘案して、建築物の区分に応じ、建築主事の審査を要しないこととしても建築物の安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められる規定を定めるものとする。



第七条(建築物に関する完了検査)

建築主は、第六条第一項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
 2  前項の規定による申請は、第六条第一項の規定による工事が完了した日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかつたことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
 3  前項ただし書の場合における検査の申請は、その理由がやんだ日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。
 4  建築主事が第一項の規定による申請を受理した場合においては、建築主事又はその委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の吏員(以下この章において「建築主事等」という。)は、その申請を受理した日から七日以内に、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査しなければならない。
 5  建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。



第七条の二(国土交通大臣等の指定を受けた者による完了検査)

第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者が、第六条第一項の規定による工事の完了の日から四日が経過する日までに、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を引き受けた場合において、当該検査の引受けに係る工事が完了したときについては、前条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
 2  前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
 3  第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事に通知しなければならない。
 4  第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、当該検査の引受けを行つた第六条第一項の規定による工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日から七日以内に、第一項の検査をしなければならない。
 5  第一項の規定による指定を受けた者は、同項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。この場合において、当該検査済証は、前条第五項の検査済証とみなす。
 6  第一項の規定による指定を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、同項の検査の結果を特定行政庁に報告しなければならない。
 7  特定行政庁は、前項の規定により第一項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しない旨の報告を受けたときは、遅滞なく、第九条第一項又は第七項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。



第七条の三(建築物に関する中間検査)

特定行政庁は、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間及び建築物の構造、用途又は規模を限り、建築物に関する工事の工程のうち当該工事の施工中に建築主事が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査することが必要なものを特定工程として指定するものとする。
 2  建築主は、第六条第一項の規定による工事が特定工程を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その日から四日以内に建築主事に到達するように、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。ただし、申請をしなかつたことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
 3  前項ただし書の場合における検査の申請は、その理由がやんだ日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。
 4  建築主事が第二項の規定による申請を受理した場合においては、建築主事等は、その申請を受理した日から四日以内に、当該申請に係る工事中の建築物等(建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事中の建築物及びその敷地をいう。以下この章において同じ。)が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
 5  建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合すると認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して中間検査合格証を交付しなければならない。
 6  特定行政庁が第一項の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事は、前項の規定による中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
 7  建築主事等又は前条第一項の規定による指定を受けた者は、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合すると認められた工事中の建築物等について、第七条第四項、前条第一項、第四項又は次条第一項の規定による検査をするときは、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合すると認められた建築物の部分及びその敷地については、これらの規定による検査をすることを要しない。
 8  特定行政庁は、第一項の規定による指定の必要がなくなつたと認めるときは、速やかに当該指定を解除するものとする。
 9  第一項の規定による指定に関して公示その他の必要な事項は、国土交通省令で定める。



第七条の四(国土交通大臣等の指定を受けた者による中間検査)

第六条第一項の規定による工事が特定工程を含む場合において、第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が当該特定工程に係る工事を終えた後の工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合するかどうかの検査を当該工事を終えた日から四日が経過する日までに引き受けたときについては、前条第二項の規定は、適用しない。
 2  第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事に通知しなければならない。
 3  第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項の検査をした場合において、特定工程に係る工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合すると認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して中間検査合格証を交付しなければならない。
 4  前項の規定により交付された中間検査合格証は、前条第五項の中間検査合格証とみなす。
 5  前条第七項の規定の適用については、第三項の規定により中間検査合格証が交付された第一項の検査は、同条第五項の規定により中間検査合格証が交付された同条第四項の規定による検査とみなす。
 6  第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、第一項の検査の結果を特定行政庁に報告しなければならない。
 7  特定行政庁は、前項の規定により工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合しない旨の報告を受けたときは、遅滞なく、第九条第一項又は第十項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。



第七条の五(建築物に関する検査の特例)

第六条の三第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項第三号に掲げる建築物の建築の工事(同号に掲げる建築物の建築の工事にあつては、国土交通省令で定めるところにより建築士である工事監理者によつて設計図書のとおりに実施されたことが確認されたものに限る。)に対する第七条から前条までの規定の適用については、第七条第四項及び第五項中「建築基準関係規定」とあるのは「前条第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定」と、第七条の二第一項、第五項及び第七項、第七条の三第一項、第四項、第五項及び第七項並びに前条第一項、第三項及び第七項中「建築基準関係規定」とあるのは「第六条の三第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定」とする。



第七条の六(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限)

第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラーその他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機若しくは防火区画で政令で定めるものに関する工事(政令で定める軽易な工事を除く。以下この項、第十八条第十三項及び第九十条の三において「避難施設等に関する工事」という。)を含むものをする場合においては、当該建築物の建築主は、第七条第五項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
 一  特定行政庁(第七条第一項の規定による申請が受理された後においては、建築主事)が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の承認をしたとき。
 二  第七条第一項の規定による申請が受理された日(第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が同項の規定による検査の引受けを行つた場合にあつては、当該検査の引受けに係る工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日)から七日を経過したとき。
 2  前項第一号の仮使用の承認の申請の手続に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。



第八条(維持保全)

建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
 2  第十二条第一項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。



第九条(違反建築物に対する措置)

特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
 2  特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
 3  前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
 4  特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
 5  特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
 6  第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
 7  特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
 8  前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
 9  特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をすることができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
 10  特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
 11  第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
 12  特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法 (昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
 13  特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
 14  前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
 15  第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。



第九条の二(建築監視員)

特定行政庁は、政令で定めるところにより、当該市町村又は都道府県の吏員のうちから建築監視員を命じ、前条第七項及び第十項に規定する特定行政庁の権限を行なわせることができる。



第九条の三(違反建築物の設計者等に対する措置)

特定行政庁は、第九条第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が同条第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、国土交通省令で定めるところにより、当該命令に係る建築物の設計者、工事監理者若しくは工事の請負人(請負工事の下請人を含む。次項において同じ。)若しくは当該建築物について宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者又は当該命令に係る浄化槽の製造業者の氏名又は名称及び住所その他国土交通省令で定める事項を、建築士法 、建設業法 (昭和二十四年法律第百号)、浄化槽法 (昭和五十八年法律第四十三号)又は宅地建物取引業法 (昭和二十七年法律第百七十六号)の定めるところによりこれらの者を監督する国土交通大臣又は都道府県知事に通知しなければならない。
 2  国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、当該通知に係る者について、建築士法 、建設業法 、浄化槽法 又は宅地建物取引業法 による免許又は許可の取消し、業務の停止の処分その他必要な措置を講ずるものとし、その結果を同項の規定による通知をした特定行政庁に通知しなければならない。



第十条(保安上危険であり、又は衛生上有害である建築物に対する措置)

特定行政庁は、建築物の敷地、構造又は建築設備が第三条第二項の規定により第二章の規定又はこれに基く命令若しくは条例の規定の適用を受けないが、著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限をつけて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを命ずることができる。
 2  第九条第二項から第九項まで及び第十一項から第十五項までの規定は、前項の場合に準用する。



第十一条(第三章の規定に適合しない建築物に対する措置)

特定行政庁は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途が第三条第二項の規定により第三章の規定又はこれに基く命令若しくは条例の規定の適用を受けないが、公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限をつけて、当該建築物の除却、移転、修繕、模様替、使用禁止又は使用制限を命ずることができる。この場合においては、当該建築物の所在地の市町村は、当該命令に基く措置によつて通常生ずべき損害を時価によつて補償しなければならない。
 2  前項の規定によつて補償を受けることができる者は、その補償金額に不服がある場合においては、政令の定める手続によつて、その決定の通知を受けた日から一月以内に土地収用法 (昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項 の規定による収用委員会の裁決を求めることができる。



第十二条(報告、検査等)

第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。次項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、その状況を一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に調査させて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
 2  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他前項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者の検査を受け、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
 3  特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者若しくは工事施工者又は第七十七条の二十一第一項の指定確認検査機関に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途又は建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況に関する報告を求めることができる。
 4  建築主事若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の吏員が第六条第四項、第六条の二第四項、第七条第四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項、前条第一項若しくは第九十条の二第一項の規定による確認、通知、検査、命令若しくは公示をしようとする場合又は建築監視員が第九条第十項の規定による命令をしようとする場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築工事場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者若しくは工事施工者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
 5  特定行政庁は、建築基準法令の規定による処分に係る建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する台帳を整備するものとする。
 6  前項の台帳の記載事項その他その整備に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。



第十三条(身分証明書の携帯)

建築主事、建築監視員若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の吏員が前条第四項の規定によつて建築物、建築物の敷地若しくは建築工事場に立ち入る場合又は建築監視員が第九条の二(第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による権限を行使する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 2  前条第四項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。



第十四条(都道府県知事又は国土交通大臣の勧告、助言又は援助)

建築主事を置く市町村の長は、都道府県知事又は国土交通大臣に、都道府県知事は、国土交通大臣に、この法律の施行に関し必要な助言又は援助を求めることができる。
 2  国土交通大臣は、特定行政庁に対して、都道府県知事は、建築主事を置く市町村の長に対して、この法律の施行に関し必要な勧告、助言若しくは援助をし、又は必要な参考資料を提供することができる。



第十五条(届出及び統計)

建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。
 2  前項の規定にかかわらず、同項の建築物の建築又は除却が第一号の耐震改修又は第二号の建替えに該当する場合における同項の届出は、それぞれ、当該各号に規定する所管行政庁が都道府県知事であるときは直接当該都道府県知事に対し、市町村の長であるときは当該市町村の長を経由して行わなければならない。
 一  建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第五条第一項 の規定により建築物の耐震改修(増築又は改築に限る。)の計画の認定を同法第四条第一項 の所管行政庁に申請する場合の当該耐震改修
 二  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第四条第一項 の規定により建替計画の認定を同項 の所管行政庁に申請する場合の当該建替え
 3  市町村の長は、当該市町村の区域内における建築物が火災、震災、水災、風災その他の災害により滅失し、又は損壊した場合においては、都道府県知事に報告しなければならない。ただし、当該滅失した建築物又は損壊した建築物の損壊した部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。
 4  都道府県知事は、前三項の規定による届出及び報告に基づき、建築統計を作成し、これを国土交通大臣に送付し、かつ、関係書類を国土交通省令で定める期間保管しなければならない。
 5  前各項の規定による届出、報告並びに建築統計の作成及び送付の手続は、国土交通省令で定める。



第十六条(国土交通大臣又は都道府県知事への報告)

国土交通大臣は、特定行政庁に対して、都道府県知事は、建築主事を置く市町村の長に対して、この法律の施行に関して必要な報告又は統計の資料の提出を求めることができる。



第十七条(特定行政庁等に対する指示等)

国土交通大臣は、都道府県若しくは市町村の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県若しくは市町村の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、都道府県又は市町村の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
 2  国土交通大臣は、都道府県の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、都道府県の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
 3  都道府県知事は、市町村の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は市町村の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、市町村の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
 4  国土交通大臣は、前項の場合において都道府県知事がそのすべき指示をしないときは、自ら同項の指示をすることができる。
 5  都道府県知事又は市町村の長は、正当な理由がない限り、前各項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事が行つた指示に従わなければならない。
 6  都道府県又は市町村の建築主事は、正当な理由がない限り、第一項から第四項までの規定による指示に基づく都道府県知事又は市町村の長の命令に従わなければならない。
 7  国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第一項の規定による指示に従わない場合又は都道府県若しくは市町村の建築主事が正当な理由がなく、所定の期限までに、第一項の規定による国土交通大臣の指示に基づく都道府県知事若しくは市町村の長の命令に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。
 8  国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
 9  国土交通大臣は、都道府県知事がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
 10  都道府県知事は、市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
 11  第四項及び第五項の規定は、前三項の場合について準用する。この場合において、第五項中「前各項」とあるのは、「第八項から第十項まで又は第十一項において準用する第四項」と読み替えるものとする。
 12  国土交通大臣は、都道府県知事又は市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第八項の規定による指示に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。



第十八条(国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物に対する確認、検査又は是正措置に関する手続の特例)

国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物及び建築物の敷地については、第六条から第七条の六まで、第九条から第十条まで及び第九十条の二の規定は、適用しない。この場合においては、次項から第十四項までの規定に定めるところによる。
 2  第六条第一項の規定によつて建築し、又は大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする建築物の建築主が国、都道府県又は建築主事を置く市町村である場合においては、当該国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この条において「国の機関の長等」という。)は、当該工事に着手する前に、その計画を建築主事に通知しなければならない。
 3  建築主事は、前項の通知を受けた場合においては、第六条第四項に定める期間内に、当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定(第六条の三第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項第三号に掲げる建築物の建築について通知を受けた場合にあつては、同項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この項において同じ。)に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて、建築基準関係規定に適合することを認めたときにあつては当該通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付し、建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときにあつてはその旨及び理由を記載した通知書を当該通知をした国の機関の長等に対して交付しなければならない。
 4  第二項の通知に係る建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、前項の確認済証の交付を受けた後でなければすることができない。
 5  国の機関の長等は、当該工事を完了した場合においては、その旨を、工事が完了した日から四日以内に到達するように、建築主事に通知しなければならない。
 6  建築主事が前項の規定による通知を受けた場合においては、建築主事等は、その通知を受けた日から七日以内に、その通知に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定(第七条の五に規定する建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について通知を受けた場合にあつては、第六条の三第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この条において同じ。)に適合しているかどうかを検査しなければならない。
 7  建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国の機関の長等に対して検査済証を交付しなければならない。
 8  国の機関の長等は、当該工事が特定工程を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その旨を、その日から四日以内に到達するように、建築主事に通知しなければならない。
 9  建築主事が前項の規定による通知を受けた場合においては、建築主事等は、その通知を受けた日から四日以内に、当該通知に係る工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
 10  建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合すると認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、国の機関の長等に対して中間検査合格証を交付しなければならない。
 11  第七条の三第六項の規定により特定行政庁が指定する特定工程後の工程に係る工事は、前項の規定による中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
 12  建築主事等は、第九項の規定による検査において建築基準関係規定に適合すると認められた工事中の建築物等について、第六項又は第九項の規定による検査をするときは、同項の規定による検査において建築基準関係規定に適合すると認められた建築物の部分及びその敷地については、これらの規定による検査をすることを要しない。
 13  第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で避難施設等に関する工事を含むものをする場合においては、第七項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
 一  特定行政庁(第五項の規定による通知があつた後においては、建築主事)が、安全上、防火上又は避難上支障がないと認めて仮使用の承認をしたとき。
 二  第五項の規定による通知をした日から七日を経過したとき。
 14  特定行政庁は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物又は建築物の敷地が第九条第一項、第十条第一項又は第九十条の二第一項の規定に該当すると認める場合においては、直ちに、その旨を当該建築物又は建築物の敷地を管理する機関の長に通知し、これらの規定に掲げる必要な措置を採るべきことを要請しなければならない。


第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備


第十九条(敷地の衛生及び安全)

建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。
 2  湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。
 3  建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。
 4  建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。



第二十条(構造耐力)

建築物は、自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次に定める基準に適合するものでなければならない。
 一  建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。
 二  次に掲げる建築物にあつては、前号に定めるもののほか、政令で定める基準に従つた構造計算によつて確かめられる安全性を有すること。
  イ 第六条第一項第二号又は第三号に掲げる建築物
  ロ イに掲げるもののほか、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超える建築物で、その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造としたもの



第二十一条(大規模の建築物の主要構造部)

高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、第二条第九号の二イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。ただし、構造方法、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物(政令で定める用途に供するものを除く。)は、この限りでない。
 2  延べ面積が三千平方メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、第二条第九号の二イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。



第二十二条(屋根)

特定行政庁が防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。
 2  特定行政庁は、前項の規定による指定をする場合においては、あらかじめ、都市計画区域内にある区域については都道府県都市計画審議会(市町村都市計画審議会が置かれている市町村の長たる特定行政庁が行う場合にあつては、当該市町村都市計画審議会。第五十一条を除き、以下同じ。)の意見を聴き、その他の区域については関係市町村の同意を得なければならない。



第二十三条(外壁)

前条第一項の市街地の区域内にある建築物(その主要構造部の第二十一条第一項の政令で定める部分が木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたもの(次条、第二十五条及び第六十二条第二項において「木造建築物等」という。)に限る。)は、その外壁で延焼のおそれのある部分の構造を、準防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する土塗壁その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。



第二十四条(木造建築物等である特殊建築物の外壁等)

第二十二条第一項の市街地の区域内にある木造建築物等である特殊建築物で、次の各号の一に該当するものは、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければならない。
 一  学校、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、マーケツト又は公衆浴場の用途に供するもの
 二  自動車車庫の用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が五十平方メートルを超えるもの
 三  百貨店、共同住宅、寄宿舎、病院又は倉庫の用途に供するもので、階数が二であり、かつ、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの



第二十四条の二(建築物が第二十二条第一項の市街地の区域の内外にわたる場合の措置)

建築物が第二十二条第一項の市街地の区域の内外にわたる場合においては、その全部について同項の市街地の区域内の建築物に関する規定を適用する。



第二十五条(大規模の木造建築物等の外壁等)

延べ面積(同一敷地内に二以上の木造建築物等がある場合においては、その延べ面積の合計)が千平方メートルを超える木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、その屋根の構造を第二十二条第一項に規定する構造としなければならない。



第二十六条(防火壁)

延べ面積が千平方メートルを超える建築物は、防火上有効な構造の防火壁によつて有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ千平方メートル以内としなければならない。ただし、次の各号の一に該当する建築物については、この限りでない。
 一  耐火建築物又は準耐火建築物
 二  卸売市場の上家、機械製作工場その他これらと同等以上に火災の発生のおそれが少ない用途に供する建築物で、イ又はロのいずれかに該当するもの
  イ 主要構造部が不燃材料で造られたものその他これに類する構造のもの
  ロ 構造方法、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合するもの
 三  畜舎その他の政令で定める用途に供する建築物で、その周辺地域が農業上の利用に供され、又はこれと同様の状況にあつて、その構造及び用途並びに周囲の状況に関し避難上及び延焼防止上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するもの



第二十七条(耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊建築物)

次の各号の一に該当する特殊建築物は、耐火建築物としなければならない。ただし、地階を除く階数が三で、三階を下宿、共同住宅又は寄宿舎の用途に供するもの(三階の一部を別表第一(い)欄に掲げる用途(下宿、共同住宅及び寄宿舎を除く。)に供するもの及び第二号又は第三号に該当するものを除く。)のうち防火地域以外の区域内にあるものにあつては、第二条第九号の三イに該当する準耐火建築物(主要構造部の準耐火性能その他の事項について、準防火地域の内外の別に応じて政令で定める技術的基準に適合するものに限る。)とすることができる。
 一  別表第一(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄の当該各項に掲げる用途に供するもの
 二  別表第一(い)欄に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分(同表(一)項の場合にあつては客席、同表(五)項の場合にあつては三階以上の部分に限る。)の床面積の合計が同表(は)欄の当該各項に該当するもの
 三  劇場、映画館又は演芸場の用途に供するもので、主階が一階にないもの
 2  次の各号の一に該当する特殊建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物(別表第一(い)欄(六)項に掲げる用途に供するものにあつては、第二条第九号の三ロに該当する準耐火建築物のうち政令で定めるものを除く。)としなければならない。
 一  別表第一(い)欄に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分(同表(二)項及び(四)項の場合にあつては二階の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計が同表(に)欄の当該各項に該当するもの
 二  別表第二(と)項第四号に規定する危険物(安全上及び防火上支障がないものとして政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)の貯蔵場又は処理場の用途に供するもの(貯蔵又は処理に係る危険物の数量が政令で定める限度を超えないものを除く。)



第二十八条(居室の採光及び換気)

住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
 2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
 3  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
 4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。



第二十九条(地階における住宅等の居室)

住宅の居室、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。



第三十条(長屋又は共同住宅の各戸の界壁)

長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。



第三十一条(便所)

下水道法 (昭和三十三年法律第七十九号)第二条第八号 に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所(汚水管が下水道法第二条第三号 に規定する公共下水道に連結されたものに限る。)以外の便所としてはならない。
 2  便所から排出する汚物を下水道法第二条第六号 に規定する終末処理場を有する公共下水道以外に放流しようとする場合においては、屎尿浄化槽(その構造が汚物処理性能(当該汚物を衛生上支障がないように処理するために屎尿浄化槽に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。



第三十二条(電気設備)

建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。



第三十三条(避雷設備)

高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。



第三十四条(昇降機)

建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
 2  高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。



第三十五条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)

別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が千平方メートルをこえる建築物については、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラー、貯水槽その他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、政令で定める技術的基準に従つて、避難上及び消火上支障がないようにしなければならない。



第三十五条の二(特殊建築物等の内装)

別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。



第三十五条の三(無窓の居室等の主要構造部)

政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供するものについては、この限りでない。



第三十六条(この章の規定を実施し、又は補足するため必要な技術的基準)

居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所、防火壁、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに浄化槽、煙突及び昇降機の構造に関して、この章の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準は、政令で定める。



第三十七条(建築材料の品質)

建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において「指定建築材料」という。)は、次の各号の一に該当するものでなければならない。
 一  その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合するもの
 二  前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの



第三十八条(削除)  削除



第三十九条(災害危険区域)

地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
 2  災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。



第四十条(地方公共団体の条例による制限の附加)

地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。



第四十一条(市町村の条例による制限の緩和)

第六条第一項第四号の区域外においては、市町村は、土地の状況により必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、区域を限り、第十九条、第二十一条、第二十八条、第二十九条及び第三十六条の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。ただし、第六条第一項第一号及び第三号の建築物については、この限りでない。


第三章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途

第一節 総則


第四十一条の二(適用区域)

この章(第八節を除く。)の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する。



第四十二条(道路の定義)

この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
 一  道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路
 二  都市計画法 、土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法 、新都市基盤整備法 (昭和四十七年法律第八十六号)又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 (昭和五十年法律第六十七号)による道路
 三  この章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
 四  道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
 五  土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
 2  この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
 3  特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
 4  第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
 一  周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
 二  地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
 三  第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
 5  前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
 6  特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。


第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係


第四十三条(敷地等と道路との関係)

建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。次条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。
 一  自動車のみの交通の用に供する道路
 二  高架の道路その他の道路であつて自動車の沿道への出入りができない構造のものとして政令で定める基準に該当するもの(次条第一項において「特定高架道路等」という。)で、地区計画又は再開発地区計画の区域(地区整備計画又は再開発地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の五第八項 又は都市再開発法第七条の八の二第四項 の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。次条第一項において同じ。)内のもの
 2  地方公共団体は、特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計。第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により、前項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、必要な制限を付加することができる。



第四十四条(道路内の建築制限)

建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号の一に該当する建築物については、この限りでない。
 一  地盤面下に設ける建築物
 二  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
 三  地区計画又は再開発地区計画の区域内の自動車のみの交通の用に供する道路又は特定高架道路等の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該地区計画又は再開発地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
 四  公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
 2  特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。



第四十五条(私道の変更又は廃止の制限)

私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第四十三条第一項の規定又は同条第二項の規定に基く条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。
 2  第九条第二項から第六項まで及び第十五項の規定は、前項の措置を命ずる場合に準用する。



第四十六条(壁面線の指定)

特定行政庁は、街区内における建築物の位置を整えその環境の向上を図るために必要があると認める場合においては、建築審査会の同意を得て、壁面線を指定することができる。この場合においては、あらかじめ、その指定に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
 2  前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、同項の規定による指定の計画並びに意見の聴取の期日及び場所を期日の三日前までに公告しなければならない。
 3  特定行政庁は、第一項の規定による指定をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。



第四十七条(壁面線による建築制限)

建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ二メートルをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築してはならない。ただし、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものについては、この限りでない。


第三節 建築物の用途


第四十八条(用途地域)

第一種低層住居専用地域内においては、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 2  第二種低層住居専用地域内においては、別表第二(ろ)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 3  第一種中高層住居専用地域内においては、別表第二(は)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 4  第二種中高層住居専用地域内においては、別表第二(に)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 5  第一種住居地域内においては、別表第二(ほ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 6  第二種住居地域内においては、別表第二(へ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 7  準住居地域内においては、別表第二(と)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が準住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 8  近隣商業地域内においては、別表第二(ち)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便及び当該住宅地の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 9  商業地域内においては、別表第二(り)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が商業の利便を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 10  準工業地域内においては、別表第二(ぬ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が安全上若しくは防火上の危険の度若しくは衛生上の有害の度が低いと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 11  工業地域内においては、別表第二(る)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が工業の利便上又は公益上必要と認めて許可した場合においては、この限りでない。
 12  工業専用地域内においては、別表第二(を)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が工業の利便を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
 13  特定行政庁は、前各項のただし書の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、その許可に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行い、かつ、建築審査会の同意を得なければならない。ただし、前各項のただし書の規定による許可を受けた建築物の増築、改築又は移転(これらのうち、政令で定める場合に限る。)について許可をする場合においては、この限りでない。
 14  特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、その許可しようとする建築物の建築の計画並びに意見の聴取の期日及び場所を期日の三日前までに公告しなければならない。



第四十九条(特別用途地区)

特別用途地区内においては、前条第一項から第十二項までに定めるものを除くほか、その地区の指定の目的のためにする建築物の建築の制限又は禁止に関して必要な規定は、地方公共団体の条例で定める。
 2  特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、前条第一項から第十二項までの規定による制限を緩和することができる。



第四十九条の二(特定用途制限地域)

特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、当該特定用途制限地域に関する都市計画に即し、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で定める。



第五十条(用途地域等における建築物の敷地、構造又は建築設備に対する制限)

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域若しくは工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)、特別用途地区又は特定用途制限地域内における建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限で当該地域又は地区の指定の目的のために必要なものは、地方公共団体の条例で定める。



第五十一条(卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置)

都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他の処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない。


第四節 建築物の敷地及び構造


第五十二条(容積率)

建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる数値以下であり、かつ、当該建築物の前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。以下この項及び第九項ただし書において同じ。)の幅員が十二メートル未満である場合においては、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物、第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(第五号に掲げる建築物を除く。)又は特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあつては十分の四を、その他の建築物にあつては十分の六を乗じたもの以下でなければならない。ただし、当該建築物が第五号に掲げる建築物である場合において、次項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第三号に掲げる数値の一・五倍以下でなければならない。
 一  第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物
              十分の五、十分の六、十分の八、十分の十、十分の十五又は十分の二十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
 二  第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物
              十分の十、十分の十五、十分の二十又は十分の三十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
 三  第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(第五号に掲げる建築物を除く。)又は工業地域若しくは工業専用地域内の建築物
              十分の二十、十分の三十又は十分の四十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
 四  商業地域内の建築物
              十分の二十、十分の三十、十分の四十、十分の五十、十分の六十、十分の七十、十分の八十、十分の九十又は十分の百のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
 五  高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の三分の二以上であるもの(当該高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、その敷地面積が当該最低限度以上のものに限る。第五十六条第一項第二号ハ及び別表第三の四の項において同じ。)
              当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第三号に掲げる数値から、その一・五倍以下で当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計のその延べ面積に対する割合に応じて政令で定める方法により算出した数値までの範囲内で、当該高層住居誘導地区に関する都市計画において定められたもの
 六  用途地域の指定のない区域内の建築物
              十分の五、十分の八、十分の十、十分の二十、十分の三十又は十分の四十のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
 2  前項(ただし書及び第五号を除く。)、第五項、第九項及び第十一項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十八条の三(第二項第一号イ並びに第三項ただし書及び第二号ロを除く。)、第六十八条の四第一項、第六十八条の五第一項、第六十八条の五の二(第一号イを除く。第四項において同じ。)、第六十八条の八、第六十八条の九並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(第五十九条第一項及び第六十八条の九に規定するものについては、建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。第四項において同じ。)の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。
 3  前項の地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が三メートルを超える場合においては、その高低差三メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。
 4  第一項(第五号を除く。)、次項、第九項及び第十一項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十八条の三(第二項第一号イ及び第三項第二号ロを除く。)、第六十八条の四第一項、第六十八条の五第一項、第六十八条の五の二、第六十八条の八、第六十八条の九並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。
 5  建築物の敷地が第一項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、同項の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
 6  建築物の敷地が、幅員十五メートル以上の道路(以下この項において「特定道路」という。)に接続する幅員六メートル以上十二メートル未満の前面道路のうち当該特定道路からの延長が七十メートル以内の部分において接する場合における当該建築物に対する前各項の規定の適用については、第一項中「幅員」とあるのは、「幅員(第六項の特定道路に接続する同項の前面道路のうち当該特定道路からの延長が七十メートル以内の部分にあつては、その幅員に、当該特定道路から当該建築物の敷地が接する当該前面道路の部分までの延長に応じて政令で定める数値を加えたもの)」とする。
 7  建築物の敷地が都市計画において定められた計画道路(第四十二条第一項第四号に該当するものを除くものとし、以下この項において「計画道路」という。)に接する場合又は当該敷地内に計画道路がある場合において、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該計画道路を第一項の前面道路とみなして、前各項の規定を適用するものとする。この場合においては、当該敷地のうち計画道路に係る部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
 8  前面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が次に掲げる基準に適合すると認めて許可した建築物については、当該前面道路の境界線又はその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるものとみなして、第一項から第六項までの規定を適用するものとする。この場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
 一  当該建築物がある街区内における土地利用の状況等からみて、その街区内において、前面道路と壁面線との間の敷地の部分が当該前面道路と一体的かつ連続的に有効な空地として確保されており、又は確保されることが確実と見込まれること。
 二  交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないこと。
 9  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域又は第一項各号列記以外の部分の規定に基づき特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内で、前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(道路に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び道路に面する高さ二メートルを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。)がある場合において、当該壁面線又は当該壁面の位置の制限として定められた限度の線(以下この項及び次項において「壁面線等」という。)を超えない建築物(ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除く。)については、当該前面道路の境界線は、当該壁面線等にあるものとみなして、第一項から第六項までの規定を適用することができる。ただし、建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に十分の六を乗じたもの以下でなければならない。
 10  前項の場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線等との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
 11  次の各号の一に該当する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの容積率は、第一項から第六項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。
 一  同一敷地内の建築物の機械室その他これに類する部分の床面積の合計の建築物の延べ面積に対する割合が著しく大きい場合におけるその敷地内の建築物
 二  その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物
 12  第四十四条第二項の規定は、第七項、第八項又は前項の規定による許可をする場合に準用する。



第五十二条の二(特例容積率適用区域内の容積率の特例)

商業地域に関する都市計画において、この条の定めるところにより特別の容積率を適用することができる区域(以下この項において「特例容積率適用区域」という。)が定められたときは、当該特例容積率適用区域内の二以上の敷地(建築物の敷地となるべき土地及び当該特例容積率適用区域の内外にわたる敷地であつてその過半が当該特例容積率適用区域に属するものを含む。以下この項において同じ。)に係る土地について所有権若しくは建築物の所有を目的とする地上権若しくは賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権」という。)を有する者又はこれらの者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、特定行政庁に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該二以上の敷地(以下この条及び次条において「特例敷地」という。)のそれぞれに適用される特別の容積率(以下この条において「特例容積率」という。)の限度の指定を申請することができる。
 2  前項の規定による申請をしようとする者は、申請者及び同項の規定による同意をした者以外に当該申請に係る特例敷地について政令で定める利害関係を有する者があるときは、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。
 3  特定行政庁は、第一項の規定による申請が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該申請に基づき、特例敷地のそれぞれに適用される特例容積率の限度を指定するものとする。
 一  申請に係るそれぞれの特例敷地の敷地面積に申請に係るそれぞれの特例容積率の限度を乗じて得た数値の合計が、当該それぞれの特例敷地の敷地面積に前条第一項各号(第五号を除く。以下この号において同じ。)の規定によるそれぞれの建築物の容積率(当該特例敷地について現に次項の規定により特例容積率の限度が公告されているときは、当該特例容積率。以下この号において「基準容積率」という。)の限度を乗じて得た数値の合計以下であること。この場合において、当該それぞれの特例敷地が基準容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたるときの当該基準容積率の限度は、前条第一項各号の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその特例敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計とする。
 二  申請に係るそれぞれの特例容積率の限度が、申請に係るそれぞれの特例敷地内に現に存する建築物の容積率以上であること。
 三  申請に係るそれぞれの特例容積率の限度が、申請に係るそれぞれの特例敷地における建築物の利用上の必要性、周囲の状況等を考慮して、当該それぞれの特例敷地にふさわしい容積を備えた建築物が建築されることにより当該それぞれの特例敷地の土地が適正かつ合理的な利用形態となるよう定められていること。この場合において、申請に係る特例容積率の限度のうち前条第一項から第六項までの規定による限度を超えるものにあつては、当該特例容積率の限度に適合して建築される建築物が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとなるよう定められていること。
 4  特定行政庁は、前項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、特例容積率の限度、特例敷地の位置その他国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定める事項を表示した図書をその事務所に備えて、一般の縦覧に供さなければならない。
 5  第三項の規定による指定は、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
 6  第四項の規定により特例容積率の限度が公告されたときは、当該特例敷地内の建築物については、当該特例容積率の限度を前条第一項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定を適用する。
 7  第四項の規定により公告された特例敷地のいずれかについて第一項の規定による申請があつた場合において、特定行政庁が当該申請に係る第三項の指定(以下この項において「新規指定」という。)をしたときは、当該特例敷地についての第三項の規定による従前の指定は、新規指定に係る第四項の規定による公告があつた日から将来に向かつて、その効力を失う。



第五十二条の三(指定の取消し)

前条第四項の規定により公告された特例敷地である土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、同条第三項の指定の取消しを特定行政庁に申請することができる。この場合においては、あらかじめ、当該特例敷地について政令で定める利害関係を有する者の同意を得なければならない。
 2  前項の規定による申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係るそれぞれの特例敷地内に現に存する建築物の容積率が第五十二条第一項から第六項までの規定による限度以下であるときその他当該建築物の構造が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該申請に係る指定を取り消すものとする。
 3  特定行政庁は、前項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
 4  第二項の規定による取消しは、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
 5  前二項に定めるもののほか、第二項の規定による指定の取消しについて必要な事項は、国土交通省令で定める。



第五十三条(建ぺい率)

建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建ぺい率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる数値を超えてはならない。
 一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域又は工業専用地域内の建築物
              十分の三、十分の四、十分の五又は十分の六のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
 二  第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、準工業地域又は工業地域内の建築物
              十分の六
 三  近隣商業地域又は商業地域内の建築物
              十分の八
 四  用途地域の指定のない区域内の建築物
              十分の三、十分の四、十分の五、十分の六又は十分の七のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
 2  建築物の敷地が前項の規定による建築物の建ぺい率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建ぺい率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建ぺい率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
 3  前二項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に掲げる数値に十分の一を加えたものをもつて当該各号に掲げる数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に掲げる数値に十分の二を加えたものをもつて当該各号に掲げる数値とする。
 一  近隣商業地域及び商業地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物
 二  街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物
 4  隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(隣地境界線に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び隣地境界線に面する高さ二メートルを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。)がある場合において、当該壁面線又は壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物(ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除く。)で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建ぺい率は、前三項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、前三項の規定による限度を超えるものとすることができる。
 5  前各項の規定は、次の各号の一に該当する建築物については、適用しない。
 一  近隣商業地域及び商業地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物
 二  巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの
 三  公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの
 6  建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号又は前項第一号の規定を適用する。
 7  第四十四条第二項の規定は、第四項又は第五項第三号の規定による許可をする場合に準用する。



第五十四条(第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内における外壁の後退距離)

第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離(以下この条及び第八十六条の六第一項において「外壁の後退距離」という。)は、当該地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度が定められた場合においては、政令で定める場合を除き、当該限度以上でなければならない。
 2  前項の都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合においては、その限度は、一・五メートル又は一メートルとする。



第五十四条の二(第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内における建築物の敷地面積)

第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、建築物の敷地面積は、当該地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号の一に該当する建築物の敷地については、この限りでない。
 一  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの
 二  その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
 2  前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度を定める場合においては、その最低限度は、二百平方メートルを超えてはならない。
 3  第一項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された際、現に建築物の敷地として使用されている土地で同項の規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、同項の規定は、適用しない。ただし、次の各号の一に該当する土地については、この限りでない。
 一  第一項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、建築物の敷地面積の最低限度に関する従前の制限に違反していた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に違反することとなつた土地
 二  第一項の規定に適合するに至つた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合するに至つた土地



第五十五条(第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内における建築物の高さの限度)

第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは、十メートル又は十二メートルのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
 2  前項の都市計画において建築物の高さの限度が十メートルと定められた第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であつて、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものの高さの限度は、同項の規定にかかわらず、十二メートルとする。
 3  前二項の規定は、次の各号の一に該当する建築物については、適用しない。
 一  その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可したもの
 二  学校その他の建築物であつて、その用途によつてやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したもの
 4  第四十四条第二項の規定は、前項各号の規定による許可をする場合に準用する。



第五十六条(建築物の各部分の高さ)

建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
 一  別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの
 二  当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、次に掲げる数値が一・二五と定められている建築物で高さが二十メートルを超える部分を有するもの又は次に掲げる数値が二・五と定められている建築物で高さが三十一メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イ、ロ、ハ又はニに掲げる数値を乗じて得たものに、次に掲げる数値が一・二五と定められている建築物にあつては二十メートルを、次に掲げる数値が二・五と定められている建築物にあつては三十一メートルを加えたもの
  イ 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。)
                        一・二五
  ロ 近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。)又は商業地域、工業地域若しくは工業専用地域内の建築物
                        二・五
  ハ 高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の三分の二以上であるもの
                        二・五
  ニ 用途地域の指定のない区域内の建築物
                        一・二五又は二・五のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
 三  第一種低層住居専用地域若しくは第二種低層住居専用地域内又は第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域(次条第一項の規定に基づく条例で別表第四の二の項に規定する(一)、(二)又は(三)の号が指定されているものを除く。)内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離に一・二五を乗じて得たものに、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあつては五メートルを、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては十メートルを加えたもの
 2  前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
 3  第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一・二五」とあるのは、「一・二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一・二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一・五)」とする。
 4  前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。以下この表において同じ。)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に二を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。
 5  建築物が第一項第二号及び第三号の地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、これらの規定中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
 6  建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。



第五十六条の二(日影による中高層の建築物の高さの制限)

別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(四の項にあつては、同項イ又はロのうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(四の項にあつては、同項イ又はロ)に掲げる平均地盤面からの高さの水平面(対象区域外の部分及び当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(一)、(二)又は(三)の号(同表の三の項にあつては、(一)又は(二)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合においては、この限りでない。
 2  同一の敷地内に二以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、前項の規定を適用する。
 3  建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
 4  対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。
 5  建築物が第一項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



第五十七条(高架の工作物内に設ける建築物等に対する高さの制限の緩和)

高架の工作物内に設ける建築物で特定行政庁が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、前三条の規定は、適用しない。
 2  道路内にある建築物(高架の道路の路面下に設けるものを除く。)については、第五十六条第一項第一号及び第二項から第四項までの規定は、適用しない。



第五十七条の二(高層住居誘導地区)

高層住居誘導地区内においては、建築物の建ぺい率は、高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の建ぺい率の最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。
 2  前項の場合において、建築物の敷地が高層住居誘導地区の内外にわたるときは、当該高層住居誘導地区に関する都市計画において定められた建築物の建ぺい率の最高限度を、当該建築物の当該高層住居誘導地区内にある部分に係る第五十三条第一項の規定による建築物の建ぺい率の限度とみなして、同条第二項の規定を適用する。
 3  高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた場合については、第五十四条の二第一項及び第三項の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、建築物の敷地面積は、当該地域」とあるのは「高層住居誘導地区内においては、建築物の敷地面積は、高層住居誘導地区」と、同項第二号中「低層住宅に係る良好な住居」とあるのは「市街地」と読み替えるものとする。
 4  高層住居誘導地区内の建築物については、第五十六条の二(第四項を除く。)の規定は、適用しない。



第五十八条(高度地区)

高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。



第五十九条(高度利用地区)

高度利用地区内においては、建築物の容積率及び建ぺい率並びに建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、高度利用地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号の一に該当する建築物については、この限りでない。
 一  主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロツク造その他これらに類する構造であつて、階数が二以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
 二  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
 三  学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
 2  高度利用地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、高度利用地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号の一に該当する建築物については、この限りでない。
 3  高度利用地区内の建築物については、当該高度利用地区に関する都市計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定を適用する。
 4  高度利用地区内においては、敷地内に道路に接して有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、第五十六条第一項第一号及び第二項から第四項までの規定は、適用しない。
 5  第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は前項の規定による許可をする場合に準用する。



第五十九条の二(敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例)

その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建ぺい率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、第五十二条第一項から第六項まで、第五十五条第一項又は第五十六条の規定による限度を超えるものとすることができる。
 2  第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合に準用する。



第六十条(特定街区)

特定街区内においては、建築物の容積率及び高さは、特定街区に関する都市計画において定められた限度以下でなければならない。
 2  特定街区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、特定街区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。
 3  特定街区内の建築物については、第五十二条から前条までの規定は、適用しない。


 第五節 防火地域


第六十一条(防火地域内の建築物)

防火地域内においては、階数が三以上であり、又は延べ面積が百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。ただし、次の各号の一に該当するものは、この限りでない。
 一  延べ面積が五十平方メートル以内の平家建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のもの
 二  卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの
 三  高さ二メートルを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
 四  高さ二メートル以下の門又は塀



第六十二条(準防火地域内の建築物)

準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。
 2  準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、これに附属する高さ二メートルを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。



第六十三条(屋根)

防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造は、市街地における火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。



第六十四条(外壁の開口部の防火戸)

防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が準遮炎性能(建築物の周囲において発生する通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。



第六十五条(隣地境界線に接する外壁)

防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。



第六十六条(看板等の防火措置)

防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。



第六十七条(建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置)

建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
 2  建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。


 第六節 美観地区


第六十八条(美観地区)

美観地区内における建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限で美観の保持のために必要なものは、地方公共団体の条例で定める。


 第七節 地区計画等の区域


第六十八条の二(市町村の条例に基づく制限)

市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、住宅地高度利用地区整備計画、再開発地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる。
 2  前項の規定による制限は、建築物の利用上の必要性、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、地区計画、住宅地高度利用地区計画、再開発地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画の区域にあつては適正な都市機能と健全な都市環境を確保するため、集落地区計画の区域にあつては当該集落地区計画の区域の特性にふさわしい良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図るため、それぞれ合理的に必要と認められる限度において、同項に規定する事項のうち特に重要な事項につき、政令で定める基準に従い、行うものとする。
 3  第一項の規定に基づく条例で建築物