風と大地の声
 
>>>国の取り組み

国土交通省では、「建設機械の環境・安全対策の取り組み」として、以下の対策を打ち出しています。

 

§排出ガス対策

§騒音・振動対策

§建設工事に伴う騒音振動対策技術指針

 

§排出ガス対策


建設機械の年間NOx(窒素酸化物)排出総量は自動車等移動排出源排出総量の15%(約14万トン/年)を占めています。(台数ベースでは2%)。また、トンネル等閉所作業では黒煙の低減等環境改善が必要となっています。そこで、建設機械から排出されるNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、黒煙を削減することにより、現場環境および大気環境改善を図るため、建設省では平成3年に「建設機械に関する技術指針」を制定し、建設工事の作業環境の改善等に資する建設機械の排出ガス基準値(第1次基準値)を定め、その基準値を満足した建設機械を「排出ガス対策型建設機械」と指定し、建設工事において使用することにより環境対策を推進しています。
 また、トンネル工事では、黒煙浄化装置を装着している「トンネル工事用排出ガス対策型建設機械」を使用するよう推進しています。
 なお、平成10年度から建設省直轄工事において使用原則対象機種に関し、排出ガス対策型建設機械を使用できない場合は、平成7年度建設技術評価制度公募課題「排出ガス浄化装置の開発」、またはこれと同様の開発目標で実施された民間開発建設技術の技術審査・証明事業により評価された排出ガス浄化装置を装着した建設機械を使用することで、排出ガス対策型建設機械と同様とみなすこととなりました。

 

§騒音・振動対策


騒音に関する苦情件数のうち、建設工事に起因するものが約1/4(H8は3699件)、振動に関する苦情件数のうち、建設工事に起因するものが約1/2(H8は995件)となっています。そこで、建設工事に伴う騒音、振動の発生をできる限り防止することにより、生活環境の保全と円滑な施工を図るため、建設省では昭和51年に「建設工事に伴う騒音振動対策技術指針」を策定し、建設工事の計画、設計、施工の各段階において起業者及び施工者が考慮すべき技術的対策の基本方針を示しています。また、機種毎、出力毎に騒音または振動の基準値を定め、基準値を満足した建設機械を「低騒音型建設機械」(昭和58年指定開始)または「低振動型建設機械」(平成8年指定開始)として型式指定を行い、生活環境を保全すべき地域で行う工事で使用を推進しています。
 また、平成9年10月1日には、「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程」(平成9年建設省告示第1536号)及び「建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法」(平成9年建設省告示第1537号)を施行し、騒音基準値を騒音規制法と整合させる、測定方法を国際規格と合わせる等「低騒音型建設機械」の指定基準を全面改正しました。これにより「低騒音型建設機械」は騒音規制法の特定建設作業から除外されます。   
 

 

§建設工事に伴う騒音振動対策技術指針

T.総 論

第1章 目 的

1.本指針は,建設工事に伴う騒音,振動の発生をできる限り防止することにより,生活環境の保全と円滑な工事の施工を図ることを目的とする。
2.本指針は,建設工事に伴う騒音,振動の防止について,技術的な対策を示すものとする。


第2章 適用範囲

1.本指針は,騒音,振動を防止することにより,住民の生活環境を保全する必要があると認められる以下に示す区域におけるすべての建設工事に適用することを原則とする。ただし,災害その他の事由により緊急を要する場合はこの限りではない。
(1) 良好な住居の環境を保全するため,特に静穏の保持を必要とする区域
(2) 住居の用に供されているため,静穏の保持を必要とする区域
(3) 住居の用にあわせて商業,工業等の用に供されている区域であって相当数の住居が集合しているため,騒音,振動の発生を防止する必要がある区域
(4) 学校・保育所,病院,診療所,図書館,老人ホーム等の敷地の周囲おおむね80mの区域
(5) 家畜飼育場,精密機械工場,電子計算機設置事業場等の施設の周辺等,騒音,振動の影響が予想される区域

第3章 現行法令

1.騒音,振動対策の計画,実施にあたっては,公害対策基本法,騒音規制法及び振動規制法について十分理解しておかなければならない。
2.地方公共団体によっては,騒音規制法及び振動規制法に定めた特定建設作業以外の作業についても条例等により,規制,指導を行っているので,対象地域における条例等の内容を充分把握しておかなければならない。

第4章 対策の基本事項

1.騒音,振動対策の計画,設計,施工にあたっては,施工法,建設機械の騒音,振動の大きさ,発生実態,発生機構等について,十分理解しておかなければならない。
2.騒音,振動対策については,騒音,振動の大きさを下げるほか,発生期間を短縮するなど全体的に影響の小さくなるように検討しなければならない。
3.建設工事の設計にあたっては,工事現場周辺の立地条件を調査し,全体的に騒音,振動を低減するよう次の事項について検討しなければならない。
(1) 低騒音,低振動の施工法の選択
(2) 低騒音型建設機械の選択
(3) 作業時間帯,作業工程の設定
(4) 騒音,振動源となる建設機械の配置
(5) 進音施設等の設置
4.建設工事の施工にあたっては,設計時に考慮された騒音,振動対策をさらに検討し,確実に実施しなければならない。なお,建設機械の運転についても以下に示す配慮が必要である。
(1) 工事の円滑を図るとともに現場管理等に留意し,不必要な騒音,振動を発生させない。
(2) 建設機械等は,整備不良による騒音,振動が発生しないように点検,整備を十分に行う。
(3) 作業待ち時には,建設機械等のエンジンをできる限り止めるなど騒音,振動を発生させない。
5.建設工事の実施にあたっては,必要に応じ工事の目的,内容等について,事前に地域住民に対して説明を行い,工事の実施に協力を得られるように努めるものとする。
6.騒音,振動対策として施工法,建設機械,作業時間帯を指定する場合には,仕様書に明記しなければならない。
7.騒音,振動対策に要する費用については,適正に積算,計上しなければならない。
8.起業者,施工者は,騒音,振動対策を効果的に実施できるように協力しなければならない。

第5章 現地認査

1.建設工事の設計,施工にあたっては,工事現場及び現場周辺の状況について,施工前調査,施工時調査等を原則として実施するものとする。
2.施行前調査は,建設工事による騒音,振動対策を検討し,工事着手前の状況を把握するために,次の項目について行うものである。
(1) 現場周辺状況
 工事現場周辺について,家屋,施設等の有無,規模,密集度,地質,土質及び騒音 又は振動源と家屋等の距離等を調査し,必要に応じ騒音,振動の影響についても検討する。
(2) 暗騒音,暗振動
 工事現場の周辺において,作業時間帯に応じた階騒音,暗振動を必要に応じ測定する。
(3) 建造物等
 工事現場の周辺において,建設工事による振動の影響が予想される建造物等について工事施工前の状況を調査する。
3.施行時調査は,建設工事の施行時において,必要に応じ騒音,振動を測定し,工事現場の周辺の状況,建造物等の状態を把握するものである。
 なお,施工直後においても必要に応じ建造物等の状態を把握するものとする。

U各論

第6章 土 工


(掘削,積込み作業)
1.掘削,精込み作業にあたっては,低騒音型建設機械の使用を原則とする。
2.掘削はできる限り衝撃力による施工を避け,無理な負荷をかけないようにし,不必要な高速運転やむだな空ぶかしを避けて,ていねいに運転しなければならない。
3.掘削積込機から直接トラック等に積込む場合,不必要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。
 ホッパーにとりだめして積込む場合も同様とする。

(ブルドーザ作業)
4.ブルドーザを用いて掘削押し土を行う場合,無理な負荷をかけないようにし,後進時の高速走行を避けて,ていねいに運転しなければならない。

(締固め作業)
5.締固め作業にあたっては,低騒音型建設機械の使用を原則とする。
6.振動,衝撃力によって締固めを行う場合,建設機械の機種の選定,作業時間帯の設定等について十分留意しなければならない。

第7章 運搬工


(運搬の計画)
1.運搬の計画にあたっては,交通安全に留意するとともに,運搬に伴って発生する騒音,振動について配慮しなければならない。

(運搬路の選定)
2.運搬路の選定にあたっては,あらかじめ道路及び付近の状況について十分調査し,下記事項に留意しなければならない。なお,事前に道路管理者,公安委員会(警察)等と協議することが望ましい。
(1) 通勤,通学,買物等で特に歩行者が多く歩車道の区別のない道路はできる限り避ける。
(2) 必要に応じ往路,復路を別経路にする。
(3) できる限り舗装道路や幅員の広い道路を選ぶ。
(4) 急な縦断勾配や,急カーブの多い道路は避ける。

(運搬路の稚特)
3.運搬路は点検を十分に行い,特に必要がある場合は維持補修を工事計画に組込むなど対策に努めなければならない。

(走 行)
4.運搬車の走行速度は,道路及び付近の状況によって必要に応じ制限を加えるように計画,実施するものとする。なお,運搬車の運転は,不必要な急発進,急停止,空ぶかしなどを避けて,ていねいに行わなければならない。

(運搬車)
5.運搬車の選定にあたっては,運搬量,投入台数,走行頻度,走行速度等を十分検討し,できる限り騒音の小さい車両の使用に努めなければならない。


第8章 岩石掘削工


(岩石掘削の計画)
1.岩石掘削の計画にあっては,リッパ工法,発破リッパ工法,発破工法等の工法について比較検討し,総体的に騒音,振動の影響が小さい工法を採用しなければならない。

(せん孔)
2.さく岩機によりせん孔を行う場合,必要に応じ防音対策を講じた機械の使用について検討するものとする。

(発 破)
3.発破掘削を行う場合,必要に応じ低爆速火薬等の特殊火薬や,遅発電気雷管等の使用について検討するものとする。


第9章 基礎工


(基礎工法の選定)
1.基礎工法の選定にあたっては,既製ぐい工法,場所打ぐい工法,ケーソン工法等について,総合的な検討を行い,騒音,振動の影響の小さい工法を採用しなければならない。

(既製ぐい工法)
2.既製ぐいを施工する場合には,中堀工法,ブレボーリング工法等を原則とし,次のような騒音,振動対策を検討しなければならない。
(1) 作業時間帯
(2) 低騒音型建設機械の使用
3.既製ぐいの積み卸し,吊り込み作業等は不心要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。

(場所打ぐい工法)
4.場所打ぐい工法には,多くの種類の掘削工法があり,それらの騒音,振動の程度,発生機構も異なるので留意しておく必要がある。
5.場所打ぐい工法では,土砂搬出,コンクリート打設等による騒音,振動の低減について配慮しておかなければならない。
 また,各くいが連続作業で施工されることから作業工程と作業時間帯についても留意しておかなければならない。

(ケーソン工法)
6.ニューマチックケーソン工法では,昼夜連続作業で施工されることから,エアーロックの排気音,合図音及び空気圧縮機等の騒音,振動対策を検討しておく必要がある。


第10章 土留工


(土留工法の選定)
1.土留工法の選定にあたっては,鋼矢板土留工法,鋼ぐいと土留板による工法,地下連続壁工法等について,総合的な検討を行い,騒音,振動の小さい工法を採用しなければならない。

(鋼矢板工留工法,鋼ぐいと土留板による工法)
2.鋼矢板,鋼ぐいを施工する場合には,油圧式圧入引抜き工法,多滑車式引抜き工法,アースオーガによる掘削併用圧入工法,油圧式超高周波くい打工法,ウォータジェット工法等を原則とし,次の騒音,振動対策を検討しなければならない。
(1) 作業時間帯
(2) 低騒音型建設機械の使用
3.H鋼,鋼矢板等の取り付け,取り外し作業及び積込み,積卸し作業等は不必要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。

(地下連続壁工法)
4.地下連続壁工法は,土留部材を本体構造に利用できる場合や工事現場の周辺の地盤沈下に対する制限が厳しい場合には,騒音,振動の低減効果も考慮し採否を検討する。

第11章 コンクリート工


(コンクリートブラント)
1.コンクリートブラントの設置にあたっては,周辺地域への騒音,振動の影響が小さい場所を選び,十分な設置面積を確保するものとする。なお,必要に応じ防音対策を講じるものとする。
2.コンクリートブラント場内で稼働,出入りする関連機械の騒音,振動対策について配慮する必要がある。

(トラックミキサ)
3.コンクリートの打設時には,工事現場内及び付近におけるトラツクミキサの待機場所等について配慮し,また不必要な空ぶかしをしないように留意しなければならない。

(コンクリートボンブ車)
4.コンクリートポンプ車でコンクリート打設を行う場合には,設置場所に留意するとともにコンクリート圧送パイプを常に整備して不必要な空ぶかしなどをしないように留意しなければならない。

第12章 舗装工


(アスファルトブラント)
1.アスファルトブラントの設置にあたっては,周辺地域への騒音,振動の影響ができるだけ小さい場所を選び,十分な設置面積を確保するものとする。なお,必要に応じ防音対策を講じるものとする。
2.アスファルトブラント場内で稼働,出入りする関連機械の騒音,振動対策について配慮する必要がある。

(舗 装)
3.舗装にあたっては,組合せ機械の作業能力をよく検討し,段取り待ちが少なくなるように配慮しなければならない。

(舗装版とりこわし)
4.舗装版とりこわし作業にあたっては,油圧ジャッキ式舗装版破砕機,低騒音型のバックホウの使用を原則とする。また,コンクリートカッタ,ブレーカ等についても,できる限り低騒音の建設機械の使用に努めるものとする。
5.破砕物等の積込み作業等は,不必要な騒音,振動を避けて,ていねいに行わなければならない。

第13章 鋼構造物工


(接 合)
1.現場における高力ボルトによる鋼材の接合には,電動式レンチ又は油圧式レンチの使用を原則とする。
2.現場における鋼材の穴合わせには,必要に応じドリフトピンを打撃する方法にかえて,油圧式又は電動式の静的方法の採用を検討するものとする。

(クレーン車の選定)
3.クレーン車の選定にあたっては,低騒音型建設機械の採否について検討するものとする。

(架設)
4.架設に使用するクレーン等の運転は,作業時間帯に留意するとともに,無理な負荷をかけないようにていねいに行わなければならない。

第14章 構造物とりこわし工


(とりこわし工法の選定)
1.コンクリート構造物を破砕する場合には,工事現場の周辺の環境を十分考慮し,コンクリート圧砕機,ブレーカ,膨脹剤等による工法から,適切な工法を選定しなければならない。

(小 割)
2.とりこわしに際し小割を必要とする場合には,トラックへ積込み運搬可能な程度にブロック化し,騒音,振動の影響の少ない場所で小割する方法を検討しなければならない。なお,積込み作業等は,不必要な騒音,振動を避けて,ていねいに行わなければならない。

(防音シート等)
3.コンクリート構造物をとりこわす作業現場は,騒音対策,安全対策を考慮して必要に応じ防音シート,防音パネル等の設置を検討しなければならない。

第15章 トンネル工


(掘削工)
1.坑口付近の掘削は,発破等の騒音,振動をできる限り低減させるように配慮しなければならない。
2.トンネル本体掘削時の発破騒音対策として,坑口等に防音壁,防音シート等の設置を検討しなければならない。
3.土かぶりの小さい箇所で発破による掘削を行う場合には,特に振動について配慮しなければならない。

(ずりの運搬,処理)
4.ずりの運搬,処理に用いる建設機械は,ていねいに運転しなければならない。

(換気設備等)
5.換気設備及び空気圧縮機等は,工事現場の周辺の環境を考慮して設置するとともに,必要に応じ騒音,振動を低減させるように配慮しなければならない。

第16章 シールド・推進工


(泥水処理設備等)
1.泥水処理設備,換気設備等は,設備場所に留意するとともに,必要に応じ防音パネル,防振装置等を設置について検討しなければならない。

(掘削)
2.土かぶりの小さい箇所における掘削については,推進に伴う振動に留意しなければならない。

(資機材の運搬)
3.資機材の運搬にあたっては,作業時間帯に留意するとともに,必要に応じ騒音,振動対策を講じなければならない。

第17章 軟弱地盤処理工


(軟弱地盤処理工法の選定)
1.軟弱地盤処理工法の選定にあたっては,対象地盤性状と発生する騒音,振動との関連を考慮の上,総合的な検討を行い,工法を決定しなければならない。

(施 工)
2.軟弱地盤処理工の施工にあたっては,施工法に応じ,騒音,振動を低減させるように配慮しなければならない。
 なお,特に振動が問題になりやすいので留意しなければならない。

第18章 仮設工


(設 置)
1.仮設材の取り付け,取り外し及び精込み,積卸いまていねいに行わなければならない。

(路面技工)
2.額工板の取り付けにあたっては,段差,通行車両によるがたつき,はね上がり等による騒音,振動の防止に留意しなければならない。

第19章 空気圧縮機・発動発電機等


(空気圧縮機,発動発電礎等)
1.可搬式のものは,低騒音型建設機械の使用を原則とする。
2.定置式のものは,騒音,振動対策を講じることを原則とする。

(排水ポンプ)
3.排水ポンプの使用にあたっては,騒音の防止に留意しなければならない。

(設 置)
4.空気圧縮機,発動発電機,排水ポンプ等は,工事現場の周辺の環境を考慮して,騒音,振動の影響の少ない箇所に設置しなければならない。

  

 

 

 
 

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